トップへ ( 論文翻訳サービス、英語論文校正サービス )

論文関連エッセイ ( 論文翻訳者、校正者より ) のトップページへ

社会科学系学術論文の和英翻訳の難しさ

本
By Ann Christin (CC)

学術論文の翻訳とは技術翻訳であり、テーマとなる分野の専門知識がないと難しい、ということは言うまでもありません。しかし、社会科学系の学術論文を和英翻訳するプロセスにおいて実際によく悩むのは、流暢な日本語の論文を単に英訳しただけでは簡潔で明瞭な英語の論文にはならない、というところではないでしょうか。曖昧な主語、修飾語を散りばめてつらつらと綴られた述語、断定することなく丸く収められた結論等は、流暢な日本語の文章と感じさせる要素かもしれません。しかし、日本語では流暢な論文であっても、そのまま英訳すると、言動の責任の所在がはっきりしない、だらだらと不明瞭な英語の論文になってしまうことがあります。そこで、社会科学系の学術論文を和文英訳する者としては、日本語の文章の意味を損なうことなしに、簡潔で明瞭な英語の文章へ翻訳する技量が問われると思います。

流暢な日本語の文章を簡潔で明瞭な英語の文章に翻訳するには、ポイントがいくつかあります。英語圏で社会科学系の学術論文を書く場合に近年推奨されているポイントも踏まえて述べると、1)主体を明確にすること、2)強調を示す副詞を使いすぎないこと、3)一文をなるべく短くすること、4)翻訳の対象となる学術論文の専門分野において、英語の基本的な言語感覚を養うことだと言えます。

ウィリアム・ペン
By Jason (CC)
1)主体を明確にする
日本語で 「 筆者 」 や 「 研究者 」が主語として省略されているときには、英語ではthis author やthis researcher と訳出できますし、分野によっては I と訳出することも考えられます。また、受動態の文章で 「 誰 」 の部分が不明確なまま 「 言われる 」「 考えられる 」「 思われる 」「 される 」等の動詞が使われているときには、能動態に直してみるのも良い方法です。

2)強調を示す副詞を使いすぎない
「 とても 」「 大変 」「 非常に 」 等の強調を示す副詞は、社会科学系の日本語の論文では頻繁に使われますが、英語の論文では意味のない言葉と考えられ、なるべく使わない方が良いとされています。和英翻訳するときには、原文の副詞の意味を含む動詞を使うか、それができない場合は思い切って訳出しないのも一つの方法です。

3)一文をなるべく短くする
日本語の文章がつらつらと流暢であればあるほど、それらの和文英訳では、接続詞や非限定の関係代名詞を駆使した延々と続く長い英語の文章になってしまうことがあります。社会科学系の論文を和文英訳するときは、日本語の一文が長いときには、思い切って分割して英文の一文を短くすることで、簡潔さと明瞭さを向上させることができます。

4)翻訳の対象となる学術論文の専門分野において、英語の基本的な言語感覚を養う
簡潔で明瞭な社会科学系の英語の学術論文とはどういうものかという基本的な言語感覚を養うには、関連する専門分野の英語のジャーナル ( 研究誌 ) を多読するのが一番の近道でしょう。ジャーナルにはそれぞれ特有の文体や構成のスタイル、スタンダードがあります。多読することでそれらを学んで、翻訳する論文の文体や構成に活かすということは、英語論文の質を向上させるだけでなく、論文が特定のジャーナルに掲載される可能性が多くなることにも繋がります。

論文執筆者と和英翻訳者の間で、論文の内容についてだけでなく、和英翻訳された論文の掲載を希望するジャーナルについてまでコミュニケーションできればベストだと思いますが、需要と供給のバランスやタイミングによって、なかなかそうもいかないというのも難しいところです。


和英 英和 論文翻訳、英語論文校正、各種言語の論文翻訳、校正、ネイティブチェックサービスについてのお問い合わせは、日本国内代表者連絡先 honyaku@excom-system.com までご連絡ください。

翻訳は単なる言葉の置き換えではありません。国際的なジャーナルに投稿する英語論文であるならば、英語圏の学術論文に相応しい英文ライティングスタイルにするとともに、専門分野特有の用語や言い回しを適切に使用する必要があります。人文社会系の学術論文の場合は、工学系や理学系の論文、医療論文などの理系分野よりも、文化的背景などに気を遣って翻訳しなければなりません。ELSでは、専門分野に精通した日英翻訳者がお客様からお預かりした原稿を英訳し、別の翻訳者が原文と翻訳文を見比べて翻訳漏れや原文解釈の妥当性などを検証し、最後に英語ネイティブの英語論文校正者がそれをチェックするという作業工程を経て、英語論文を仕上げます。これにより、原文の意図を忠実に反映しつつ英語圏の読者に訴えかける英語論文をお客様にお届けすることができます。

論文翻訳以外にも、一般ビジネス翻訳、各種技術翻訳、メディカル翻訳、映像翻訳、ホームページ翻訳など、各種 翻訳 ( 英日 日英 多言語 翻訳 )、校正、ネイティブチェック、リライト サービスを提供。オンラインの英文ライティングトレーニング ( 自由英作文 大学入試 TOEFL対策 ビジネス英語 短期 長期 英文ライティング 他 ) 講座も開講。

Replacing 'and' with the gerund

Japanese to English translations often connect two sentences, or a sentence and a clause, with and. As we have explained elsewhere, sentence variety makes for better writing. One way to do this is by replacing and with a gerund.

Our examples here are very simple, but the same style can be used with complex writing.

Example with and: John ate spinach and walked down the street.
Example with a gerund: John ate spinach, walking down the street.

Many Japanese writers who write in English are not familiar with this style, or not comfortable using it. We recommend it highly.


このページの先頭へ


エクスコムシステム ランゲージ サービス(ELS) Copyright 2014無断転載禁止。